第3回加齢画像研究会 京都

Posted: 10/20/2014 | Author: | Filed under: Irimoto Medical, 学会情報 | No Comments »

10月18日(土)、第3回加齢画像研究会が京都烏丸コンベンションホールで開催された。私煎本が司会を担当した午前中の乳房のセッションを中心に報告する。

聖マリアンナ医科大学ブレスト&イメージング先端医療センターの印牧義英先生はまずMRIの基礎を話された。本研究会には画像診断医だけではなく形成外科医、皮膚科医、解剖学者、化粧品や衣料関係者も参加しており、これらの画像診断を専門にしない参加者にもMRIの基本をわかりやすく解説し、本日のプログラム全体を理解するにも大変参考になったと思われる。また、 乳腺の生理周期や閉経による変化を実際の臨床例を用いて解説され、乳房の加齢性変化にあたえる乳腺構造の変化を画像で捉えられることが示された。さらに、腹臥位で撮像するMRIと背臥位で撮影するCTでの乳房の形態の違いを提示し、若年者のほうがその差が少ないことを示された。

亀田京橋クリニックの町田洋一先生は日常の乳癌の画像診断で撮像する乳腺の腹臥位MRIにおいて、腹臥位にもかかわらず乳頭が加齢により尾側に偏位していることに気がつかれ、報告された。すなわち、加齢により乳房の支持組織に非可逆的変化がおこり、重力とは関係がなく加齢により乳房が下垂する可能性が示唆された。

町田先生の報告を解説するように、次の演者のワコール人間科学研究所の岸本泰蔵先生の講演で提示された動画は衝撃的であった。小走りに走っている女性の乳房は激しく頭側に揺れ、引き戻される。その際、乳腺の支持組織のクーパー靭帯にもかなりの負荷がかかることが想像される。この負荷によるクーパー靭帯の非可逆的変化が加齢による乳房の下垂をもたらすことが想像される。

しかし、質疑応答において、この両者の間を繋ぐ画像診断学や病理学、解剖学的研究が不足していることがわかり、本研究会が進む目標が示されたセッションになった。

岸本先生は正しいブラジャーを付けて小走りをしても、乳房の動揺はおこらないことを示す動画も比較して紹介された。COIを考慮した上でもインパクトのある講演であった。

講演の内容の一部はワコール人間科学研究所のHPにも掲載されている。

http://www.wacoal-science.com/ageing/

特別講演には聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学講座の井上肇先生を招き、多血小板血漿(PRP)による再生医療の最先端技術と臨床の講演をしていただいた。再生医療の現場でも、その効果の客観的評価が求められており、本研究会のめざすところと一致することが確認された。

本研究会は発足してすでに3年が経過した。当初は、画像で加齢現象を評価できるということがクローズアップされていたが、いまや、評価した結果をどう抗加齢の予防や治療に応用するかという具体的な成果も求められるようになってきた。その方向性と成果によっては、本研究会が爆発的に発展する可能性もある。画像診断の新しい発展の方向として期待される。

写真は午後の一般演題のセッションを司会された東京医科歯科大学臨床解剖分野の秋田恵一先生と国際医療福祉大学放射線医療センターの奥田逸子先生。image


解剖学者と放射線科医、日本解剖学会総会に参加して

Posted: 04/6/2014 | Author: | Filed under: Irimoto Medical | No Comments »

2014年3月27日栃木県自治医大において第116回日本解剖学会総会が開催され、
“人体解剖学および画像解剖学の包括的医学教育:CT・MRIデジタル画像データを利用した解剖学教育システムの構築”
と題したシンポジウムがもたれた。
本シンポジウムは放射線科専門医である国際医療福祉大学三田病院の奥田逸子先生がオーガナイザー・司会を努められ、放射線科医・解剖学者・医学教育学者による講演・討論が行われた。
(本学会は明治26年に第1回が開催され、本邦においても最も歴史と権威のある学会であり、ここで放射線科医がシンポジウムオーガナイザーを努めるのは画期的なことであり、放射線科医でありながら放射線科の枠を越えて活躍される奥田先生ならではの快挙である。)

シンポジウムはそれぞれの専門家から解剖学の学生教育にはたす画像診断の役割について講演され、最新の3D画像による教育の有用性も提示され、興味深いものとなった。
講演後の討論では最初は、新しい画像診断法を学生教育に用いる具体的な方法などを論じていた。しかし、質疑応答の時間にフロアの解剖学のA先生から“これだけ画像診断が進歩したら、肉眼解剖はもう必要ないのではないか?”という発言が飛び出してから、場の雰囲気が一変した。
実は現役放射線科医の多くは“肉眼解剖をもう一度勉強したい”と考えている。骨や造影された消化管や血管を見ていた以前とことなり、現在の放射線科医はCTやMRIの3D画像を日常的に扱い、より肉眼解剖に近いものを見るようになってきた。しかし、それは近づけば近づくほど、実際のものとは異なることが疑問になり、肉眼解剖と対比する欲求が強くなっている。
フロアの放射線科医からも、“透過光の画像と反射光の解剖は異なる”とか“大学の放射線科医は肉眼解剖と対比できる機会があってめぐまれているが、多くの放射線科医はその機会がなく、渇望している”との発言がなされた。これに対し解剖学者側からは”外科などからは解剖を勉強したいという希望はよく聴くが、放射線科医は解剖は我々以上に理解していると思っていた、こんなに希望が多いとは思わなかった。”という発言があった。
さらには、医学生に対する肉眼解剖実習は“生の尊厳”などの”精神教育”にすぎなく、実際に”解剖教育が必要なのは卒後教育ではないか”というような、突飛ではあるが、実践的な意見も飛び出し、予想外にホットな討論になり、予定を大幅に延長することになった。
さらに当夜は、宇都宮市内に場所を移し当シンポジウムの懇親会が行われ、学際的に放射線科医、解剖学者が集まり、忌憚のない意見を交換する本邦初の懇親会で盛り上がった。
宇都宮の夜は長く、宇都宮餃子店さらにはおしゃれなワインバーと場を移しながらお互いの理解と友情を深めあった。
CTやMRI、PETなどの高度な画像診断は名実ともに本邦の医療の質を支えている。画像診断は基礎の解剖や生理、生化学の知識なしにはありえない。しかし、多忙な日常の教育・研修ではともすれば忘れがちで、薄っぺらな知識でのレポートや研究報告をしがちである。
今回の解剖学会に参加して、画像診断の健全な発展のためには、解剖学者を始め基礎研究者と日常的に交流し、意見を交換し、教えを請うことが大切なこととあらためて認識した。
煎本正博


診療報酬”画像診断管理加算”と遠隔画像診断

Posted: 04/6/2014 | Author: | Filed under: Irimoto Medical | No Comments »

今年度の診療報酬改訂において、放射線科関連では“画像診断管理加算”の施設基準に次のような文言が追加され、話題となっている。
“当該保険医療機関以外の施設に読影又は診断を委託していないこと。”
すなわち、読影を遠隔画像診断に出している施設は“画像診断管理加算”が算定できなくなってしまうことになった。

-画像診断管理加算とは-
画像診断管理加算とは下記のような条件下で画像診断を行うと算定できる加算である。
・ 常勤の画像診断専門医がいること。
・ 画像診断管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
・ 画像診断専門医が読影し、主治医に文書で報告すること。

・ 管理加算1は 病院または診療所で70点(700円)が算定できる。
・ 管理加算2は
病院 でかつ
CT,MR,核医学の8割以上の読影結果が翌診療日まで主治医に報告されている。
が条件で180点(1800円)が算定できる。
いずれも1検査あたり月1回

この条件を読むとわかるように、そもそも、画像診断管理加算は報告書作成料ではなく、常勤画像診断専門医(以下放射線科医とする)がその医療施設の画像診断管理をしていることへの報酬である。
画像診断管理とは下記のようなもので、報告書作成はその一部でしかない。
・医療被ばく管理
・放射線科リスクマネージメント(インフォームドコンセントの指導管理体制を含む)
・プロトコール(撮影法)管理
・画像診断報告書作成
(日本放射線科医専門医会作成資料による)

 -画像診断管理加算と遠隔画像診断-
画像診断管理加算2を請求するには常勤放射線科医がその施設で発生する“全ての”画像診断について適応・撮影段階からかかわり、目を光らせる必要があり、報告書作成はそれを保証するものである。
それがゆえ、管理加算2は1と比較して1100円もの高い報酬で算定できる。
従って、報告書を遠隔画像診断に委託して作成することは、“全ての”画像診断管理を行っているとはいえず、管理加算2を請求することは不正請求にあたる。

一方、画像診断管理加算1では全ての画像を管理する必要はなく、放射線科医は”報告書を作成した画像のみ”の画像診断管理を行っていると考えられる。放射線科医の管理外の画像診断を当該科が外部に委託することはあり得ることで、そのことにより、放射線科医が管理している画像診断の管理加算まで剥奪することは、その放射線科医の業務・存在を全否定することにつながる。
放射線科医が全ての画像を読影できない理由には、量的に読影できないということばかりではなく、不得意分野が読影できないということもあり、それを得意とする外部の放射線科医に委託することにより、その施設の医療の質を上げていることも少なくない。
私は遠隔画像診断による報告書が管理加算2の請求要件に用いられることは、管理加算2の目的に反することと考える。しかしながら、量的規制のない管理加算1の施設まで外部委託を禁止することは、遠隔画像診断が担ってきた医療の質の担保からも逆行することであり、賛成できない。

-遠隔画像診断管理加算-
私は本来常勤放射線科医が読影すべき”画像診断管理加算”対象の報告書を遠隔画像診断サービスが作成することには賛成しない。一方、診療報酬の加算には画像診断管理加算とは別に、遠隔画像診断加算という項目がある。これは、遠隔画像診断を行うと、受信側施設の状態に応じて画像診断管理加算1または2を送信側が請求できるという加算である。
しかし、その受信側の施設基準として
特定機能病院、臨床研修指定病院、へき地医療拠点病院、へき地中核病院又はへき地医療支援病院であること。
とされている。
島嶼・へき地の医療をITを使って大病院が支えるという漫画的図式を具体化したような規程である。しかし、画像診断管理加算2を請求している大病院の放射線科医は自分の病院の読影だけですでに疲弊しきっている。他の施設の読影に手を出すより、より自分の施設の画像診断管理に努めるべきであろう。
当然、自施設の読影でさえも完全にできていない画像診断管理加算1の施設が他施設の読影を行うことは本末転倒である。
現在の施設基準下での遠隔画像診断管理加算は画餅である。

民間による遠隔画像診断サービスはすでに20年にわたって勤務放射線科医が読影できない画像を読影し、本邦の画像診断ひいては医療の質と安全を保証してきたことは揺るぎのない事実である。現在の遠隔画像診断サービスの顧客は、画像診断管理加算を請求できなくても、自腹を切って遠隔画像診断に診断を委ね、自施設の医療の質と安全の向上の努力をしている施設がほとんどである。遠隔画像診断サービス事業者は新たな団体を発足させ、その質的担保も保証できるような態勢を整えつつある。遠隔画像診断加算を遠隔画像診断サービスにも適応できるように行政に働きかけることが必要と考える。

煎本正博


JCRアプリについて

Posted: 04/6/2014 | Author: | Filed under: Irimoto Medical | No Comments »

今週、10日より日本医学放射線学会.日本放射線技術学会総会がパシフィコ横浜で開催される。昨年につづきiPhone.iPad、Android用プログラムアプリがリリースされているが、なんとなく使いづらい。

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一番使う日程表が広すぎてほとんど使いものにならない。
技術学会と放射線学会を一枚にしたためと思われる。
両方の共通会員はほとんどいないので、最初から別にしたほうが使いやすいのではないだろうか?

抄録を会員限定でパスワードを要求するのは利用者にとって面倒が多い、改善をのぞみたい。

しかしながら、重いプログラム本を持つより、iPadのほうがはるかに楽である。
今後ともこのシステムは利用したいと思う。


投稿再開について

Posted: 04/6/2014 | Author: | Filed under: Irimoto Medical | No Comments »

この一年間、投稿がとどこっていたイリモトメディカルの放射線科医療情報サイトCandRofA Press ですが、掲載を再開したいと思います。ご覧のうえ、ご意見などありましたら、お寄せ下さい。

イリモトメディカル代表  煎本正博


本年開催予定の主な画像関連学会情報

Posted: 01/2/2013 | Author: | Filed under: 学会情報 | No Comments »

 

第22回日本乳癌画像研究会

・2013年2月8日(金)・9日(土)
・京王プラザホテル

第32回日本画像医学会

・2013年2月22日(金)、23日(土)
・東京ステーションコンファレンス

第72回日本医学放射線学会総会

第69回日本放射線技術学会総会学術大会

2013国際医用画像総合展

・上記3つ全て2013年4月11日(木)~14日(日)
・パシフィコ横浜
Note:  2012年12月3日より宿泊案内を開始。

第21回日本乳癌学会学術総会

・2013年6月27日(木)・28日(金)・29日(土)
・アクトシティ浜松

第41回日本磁気共鳴医学会大会

・2013年9月19日(木)~21日(土)
・アスティとくしま

第49回日本医学放射線学会秋季臨床大会

・2013年10月12日(土)〜14日(月・祝)
・名古屋国際会議場

2013年10月11日(金)~13日(日)に三重県鈴鹿市にて「F1日本グランプリ」が開催される影響により、名古屋市内や愛知県近郊の宿泊施設が満室となる見込みです。そのため、宿泊予約には十分ご注意いただき、早めの宿泊予約をお願いします。本大会ではJTBによるインターネット宿泊予約サイトをご用意します(現在準備中)。

※ 公式ウェブサイトより(1月2日現在)

Note: 演題募集2013年4月25日~6月13日

第23回日本乳癌検診学会学術総会

・2013年11月8日(金)・9日(土)
・京王プラザホテル

Radiological Society of North America Annual Meeting ,  RSNA2013

・2013年12月1日~6日
・McCormick Place Chicago
Note: Call for Abstracts deadline
4月10日(水) 12:00pm (Chicago Time)
4月11日(木)02:00am (Japan Standard Time)


年頭にあたって

Posted: 01/2/2013 | Author: | Filed under: Irimoto Medical | No Comments »

新年あけましておめでとうございます。皆様のご健康をお祈りいたしますとともに、今年の診療・研究活動が益々ご発展されることを祈念しております。
昨年、スタートいたしました医療情報ブログ“CandRofA Press”、昨年は乳癌検診学会やRSNA2012の情報をお届けし、多くの皆様にご愛読をいただきました。
本年は学会情報だけではなく、放射線医療を中心とした時事ニュースにもコメントを加えてゆきたいと思います。また、雑誌Rad Fanのweb page ”Rad Fan ONLINE”とも緊密にリンクし、立体的な情報提供ができればよいと思っております。
今年もCandRofA Pressを宜しくお願い申し上げます。
CandRofA Press/イリモトメディカル 代表 煎本正博


RSNA2012 – Dr.Nakata’s Pick!

Posted: 12/15/2012 | Author: | Filed under: 学会情報 | Tags: | No Comments »

東京慈恵医科大学の中田典生先生

CandRofA Pressのウェブマスターです。
ツイートしておりましたように私もシカゴで開催されているRSNA2012に参加致しまして、東京慈恵会医科大学の中田典生先生にご協力頂きEducation Exhibitsの中から特にInformatics部門において気になる演題をご紹介頂きましたので私の私見も交えてお伝えしたいと思います。

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RSNA取材は終了しました

Posted: 12/1/2012 | Author: | Filed under: 学会情報 | Tags: | No Comments »

このCandRofA Pressは放射線科関連の情報を、読者の視線にたって、かつ迅速にお伝えするために立ち上げました。準備期間は少なかったのですが、RSNAにも専任スタッフを同行しレポートすることができました。

RadFanの編集部の多大なるご協力により、RSNAではpress登録をすることができ、取材に利便をはかっていただきました。また、RadFanとのコラボ企画も持つことができました。黒沢編集長を含め、同社のスタッフには感謝しております。

残念ながら、シカゴでは3本ぐらいしかリアルタイムのリポートはあげられませんでしたが、帰国後、できるだけ早く、追加のレポートをあげたいと思っております。

来年もさらに斬新で充実した企画を考えてゆきたいと思います。

CandRofA Pressにご期待ください。


乳がん検診、Tomosynthesisを有効利用するためには

Posted: 11/28/2012 | Author: | Filed under: 学会情報 | Tags: | No Comments »

Hologic, 3D Breast TomosynthesisのHands onに参加してきた。
火曜日午前中にHologic(以下H社)のBoothを訪問し、Hologic Japanの楠本さん、日立の田上さんからHologicの3D Breast Tomosynthesisについて説明を受けた。日本にはすでに12基ほどが導入されているそうで、education exhibitsでは静岡がんセンターからThe Emerging Role of Breast Tomosynthesisの報告もなされている。本法は管球とフィルムを振って目的の深さの部分のみの断層像を得る古典的なTomographyの手法をデジタル化したもので、近年乳がん診断の場に急速に普及している。基本的には通常のマンモグラフィ(2D)と断層画像(3D)の両方を撮影して診断に用いるが、断層画像のデータセットから擬似的に2Dを作成して、3Dのみの撮影ですませる”C-view”も開発され、FDAの認可待ちの状態だそうである。
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