RSNA2012 – Dr.Nakata’s Pick!

Posted: 12/15/2012 | Author: | Filed under: 学会情報 | Tags: | No Comments »

東京慈恵医科大学の中田典生先生

CandRofA Pressのウェブマスターです。

ツイートしておりましたように私もシカゴで開催されているRSNA2012に参加致しまして、東京慈恵会医科大学の中田典生先生にご協力頂きEducation Exhibitsの中から特にInformatics部門において気になる演題をご紹介頂きましたので私の私見も交えてお伝えしたいと思います。



The iBooks Author as a Means of Developing Unique Multimedia Radiologic Educational Material: Initial Experience and Observations

(LL-INE1202)

Elliot Fishman MD - Research support, Siemens AGAdvisory Board, Siemens AGResearch support, General Electric CompanyAdvisory Board, General Electric CompanyCo-founder, HipGraphics, Inc
Pamela Johnson MD - Research funded, Becton, Dickinson and Company
Karen Horton MD
Sara Raminpour BS

ここ最近は新型Kindleの発売など日本でも電子書籍が熱いですがその波を放射線医療界にも持ち込もうという演題です。
具体的にiOSアプリであるiBooks向けに簡単に電子書籍を作れるiBooks Authorを用いてその使い方やインタラクティブ性、その応用の仕方が説明され、また実際に腎臓のマルチスライスCT画像に関する電子書籍が試作品として展示されていました。
iBooks Authorに予め用意されている縦構図と横構図のテンプレートを使ったデザイン、リンク機能付きの目次、画像の拡大、映像やプレゼンテーションスライドが埋め込まれている等している電子書籍を実際に見ることが出来ました。
学術書籍などはその内容の深さから兎角分厚くなりがちで、ハードカバーなどになるとそれ一冊でカバンがいっぱいになってしまうということもよくあり
ます。
印刷部数の少なさからか値段も高くなりがちで、これらの事からも電子学術書籍というのは方向性としては十分に「美味しい話」であり普及が待ち望まれる分野です。
もちろん映像などリッチコンテンツやインタラクティブ性などが読者のより深い理解へと繋がるであろうということは言うまでもありません。
他の演題でプロに依頼したプレゼンテーションという名目のCM映像が流しているところを見た中田先生も「放射線科医はX線フィルムやCT・MRIなどの画像情報を日常的に用いるため視覚的に訴えたり要請したりということに非常に興味がある」とのことで、電子書籍というのもそれほど抵抗なく受け入れられるものなのではないでしょうか。

Hand-Gesture Based Navigation of Radiological Images Using the Kinect® Controller

(LL-INE1251-TUB)

Steffen Ross MD
Lars Ebert PhD
Stefan Lindholm
Anders Persson MD, PhD
Michael Thali MD

マイクロソフト社が開発したジェスチャーのみによる操作を可能とするコントローラーであるKinectはここ数年はRSNAでもトレンドとなっていますが今年も数点の展示がありました。
こちらは指先の認識に集中して特化したソフトウェアが展示されていました。
立てた指の数や形などを認識し、空中で動かすことでタッチスクリーンやマウス等のコントローラーを使うこと無く直感的に2Dないし3D画像を操作したり回転させたりといったことを可能としています。
こういったものはもちろん放射線医療界のみから求められているものではなく様々な分野で開発が進んでいる技術ではありますが、こういった技術を率先して引っ張っていこうとするのもやはり放射線医療界ならではだと思います。
中田先生も非常に精度の高い認識精度を見て、例えばGoogleが開発中のウェアラブルAR(拡張現実)技術ツールであるGoogle Glass等との連携を期待されているとの事でした。

 

Interactive Medical Image Viewer for Medical Care System Using iPad and Kinect

(LL-INE1253-WEB)

Jun Kondo
Naoki Kamiya PhD
Hiroki Osaki
Chisako Muramatsu PhD
Hiroshi Fujita PhD

こちらもKinectを用いて、また体の前に構えたiPadと連携させることでCT画像を直感的に見られるようにしようという日本の豊田工業高専の近藤潤さんの展示です。
iPadを体の前で上下させるとその位置のCT画像が表示され、主に医療に関する知識の無い患者さんなどにもわかりやすくしようという試みとの事です。
iPadの位置はKinectで右手の位置を認識する事で割り出しているということでかなりの精度があります。
近藤さん自身はもともと医療分野とは関係は無かったらしいのですが、こういうものがあったらいいのにという考えから生まれたアイデアなようで、こういった医療分野外からのアイデアが光る展示が多いのを見た中田先生は「普通の放射線科医では理解出来ないものも今年は多い」と仰っていました。

Statistical Iterative Reconstruction Applied for Streak Artifact Reduction in X-ray CT Image of Dento-Alveolar Region

(LL-INE1256)

Jian Dong
Sven Kannenberg
Cornelia Kober PhD
Yoshihiko Hayakawa

逐次近似法の専門家でいらっしゃる北見工業大学の早川吉彦先生が参加されている演題です。
今ホットな逐次近似法ですが、通常用いられる放射線被曝量の低減に関するものではなく体内に埋め込まれた金属等が発生させてしまう画像上のアーチファクト(人工産物)を統計的逐次近似再構成法を使い如何に除去出来るかというものです。
こちらも一般的な放射線医療の外側からのアプローチということで中田先生はこちらでも「今年は非常に難しい演題が多く、またとても勉強になる」と仰っていました。

Towards Validation of Natural Language Processing Tools for Business Analytics

(LL-INE1254-MOB)

Tashfeen Ekram MD
Safwan Halabi MD
James Ciarelli MS
Michael Flynn PhD

こちらはディクテーションデバイスを用いた自然言語処理技術に関する展示です。
音声入力システムであるAmiVoice等を使っていらっしゃる先生方も多いと思いますがそれをもっと強力な使い方をして行こうという展示です。
具体的にはディクテーションデバイスに吹き込まれた内容をそのまま文章化するだけでなく、その内容を例えばiOSに搭載されているSiriのように自動解析処理を行うことでそこからまるまる一本電子カルテを作ってしまおうといった試みです。
こちらの展示では例が少なくコンセプトは兎も角、その中身がわかり辛いと中田先生は評価されていましたが、同時にこの展示とは別に発表されていたもう一つの自然言語処理に関する展示と合わせて、放射線や画像を主に取り扱う放射線医療の中にやや強引にでも自然言語処理技術を持ち込もうという動きはやはり素晴らしいとも仰っていました。

Overcoming Shortage of Radiologists by Implementing a Cross-Border PACS, RIS and HIS in East Africa (EA) (Kenya, Uganda and Tanzania)

(LL-INE1255-SUB)

M. Kashif Mirza MBBS
Sudhir Vinayak MBBCh, MMed
Tanveer Khan BS
Shikuku Shituma
Godfred Mugoma

PACS、RIS、HISと言ったデータフォーマットを国境を越えて統一した運用を行おうという内容だけで言えばそこまでの目新しさはありませんが、ケニア・ウガンダ・タンザニアと今まで先進諸国が中心であった放射線医療業界についにアフリカからの風が届くようになったと中田先生も注目されていたものです。
特にケニアはつい先日再選されたオバマ米大統領のルーツのある国とされたり、その経済規模も国力もアフリカの中では有数なものなので今後のアフリカ放射線医療の中心地となるのかもしれません。


以上、RSNA会場にて中田先生にご紹介頂きました展示を遅まきながらお伝えさせていただきました。
毎年RSNAのInformatics部門に力を入れていらっしゃる中田先生が注目する展示、つまりは北米を中心とした「放射線医療の今とこれから」と共に、今年のRSNAにいらっしゃることが出来なかった方、もしくはRSNAにいらっしゃったことが無い方に少しでも今年のRSNAのEducation Exhibitsはどのようなものだったのかお伝えできましたなら幸いです。

Twitter

最近の投稿

最近のコメント

カテゴリー

アーカイブ

Links